ケニア(政治・経済)
大統領が最高権力者で,内閣を任免し,首相職はない。02年の選挙で「野党連合(NAR C)」が与党を破り,独立後初めて野党へ政権交代した。近隣諸国との関係改善に努め,伝統的に親西欧,親米である。またアフリカ諸国の平和安定に積極的に関与し,ソマリア,ルワンダ,コンゴなどの和平,仲介に熱心である。基本的には農業が産業の中心で,茶,コーヒー,砂糖など多種多様の農産物を生産する。しかし,対GDP比率は比較的低く,製造工業とサービス産業のウエイトが高くなった。工業は,精油,製粉,繊維,製糖から乾電池,自動車組立など東アフリカでは最も発達している。また,サービス業は,快適な気候,豊富な野生動物のおかげで外国から観光客が押しよせ,観光による外貨収入が大きい。そうした経過の中で,従来英国人,インド人が握っていた経済上の実権はしだいにケニア人の手に移り,穏健な「ケニア化」が進行している。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051266 |