コートジボワール（政治・経済）

1960年10月憲法が公布され，大統領は政府首席を兼ね，また軍を統帥する。コートジボワールはウフェ・ボワニ初代大統領の指導の下に“象牙の奇跡”と呼ばれるほどの安定した発展の道をたどってきた。2000年，クーデターにより就任したゲイ大統領も，選挙結果をめぐる抗議運動のすえ失脚，バグボが大統領に就任した。同政権下で「国民和解フォーラム」が開催されたものの，02年政府軍と反政府勢力が対立，反政府勢力が同国の北部・西部を支配下に置いた。03年には和平合意がなされるも，04年政府軍が反政府軍へ攻撃し情勢は緊迫。05年再度和平合意が成立し，新内閣が発足している。外交は旧宗主国フランスを軸に，欧米，日本を含むアジア諸国との多角的外交を推進している。隣国リベリアの内戦により難民が流入している。経済は独立後順調に発展を遂げ，１人当たりの国内総生産は近隣諸国に比べてずばぬけて高く“西アフリカの優等生”といわれた。人口の約半数が農業生産に従事する農業国で，特にコーヒーはアフリカで第１位の生産量である。カカオも77年にはガーナを抜いて世界第１位の輸出国となり，現在では世界の約40％を輸出している。鉱業の多様化，鉄鉱石および沖合油田の開発が進められてはいるが，マイナス成長が続き，厳しい状況である。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051274