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サントメ・プリンシペ(政治・経済)


独立後MLSTPの一党独裁の下,強権政治が続いたが,1991年憲法を一部改正して複数政党制による議会政治に移行した。2003年,軍の一部によるクーデター未遂が発生するも,中部アフリカ諸国経済共同体(CEEAC),ポルトガル語諸国共同体(CPLP)などが仲介し無血終結している。大統領最高権力者で首相および内閣を任命するが,内閣は議会にも責任を負う。議会は一院制直接選挙により選出される。外交面では独立直後は,キューバとの外交関係樹立をはじめソ連,中国,東ドイツリビア訪問するなど東寄りの姿勢を強めていたが,同時に欧州各国からの援助を受けていた。非同盟基本方針。近隣諸国,ポルトガル語圏諸国との友好関係を中心に,多角化外交を重視している。97年仏語圏の仲間入り果たす(CFAフラン圏へは未加盟)。台湾と外交関係を維持,中国と断交している。また,同国は南アフリカ共和国アパルトヘイト人種差別政策)に強く反対して南アフリカ国籍の飛行機および南アフリカ発着の飛行機の領空通過を禁止するなど一貫して強い姿勢をとっていた。主要産物および主要輸出品はカカオで,その他コーヒーコプラパーム核,バナナ,マニヨクなどを産出する。資本不足や旱魃などでカカオ生産が激減したため,政府は有機栽培プロジェクトなどを促進して,対策をとっている。近年周辺海域で石油が発見され,外国石油企業との開発合意がなされ,2006年には石油生産が開始される見込み。今後は莫大な石油収入の使途が注目される。




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