シエラレオネ（政治・経済）

1978年制定の憲法はたびたび改訂されている。大統領制，一院制は維持。91年ダイヤモンドを財源に，反政府軍（RUF）が蜂起し，戦闘を断続的に行った。96年就任のカバ大統領は，97年軍事クーデターによりギニアへ脱出。98年，西アフリカ諸国経済共同体（ECOWAS）監視団（ECOMOG）によってクーデター派は駆逐，カバ大統領が復帰した。99年国連安保理は，和平実現へ向け派遣を行った。RUFによる国連PKO要員拉致事件など再び緊張が高まったが，ECOWAS諸国の仲介により，2000年停戦合意，02年武装解除を完了。また，国家非常事態の終了宣言がなされ，和平に向けての進捗が見られた。02年カバ大統領は再選を果たした。今後の平和の定着と社会復興が期待されている。外交は，非同盟主義，各国の主権尊重，内政不干渉を基本としている。近隣諸国との関係も密接である。国際機関，援助諸国は支援する姿勢を示しているが，約10年続いた内戦により主要外貨収入源であるダイヤモンド，金，ボーキサイトなどの鉱物資源の輸出が停止し，また社会的インフラが大きな損害を受けているため，経済は大きく停滞している。今後の復興プロセスの一環として，開発と経済活性化の実現に向けた努力が期待される。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051321