セーシェル(国のなりたち)
12世紀頃からアラビア人,16世紀初めにはポルトガル人の往来があったといわれるが,18世紀までは無人島であった。1741年と44年にフランス人が探査し,56年領有を宣言。フランス人が入植を開始するのは1770年代からで,彼らは奴隷を引きつれ,特産の海ガメを乱獲し,木材を伐採して莫大な利益を得たという。天然資源の枯渇という理由から,フランス当局はこれらを禁止し,以来入植者たちは米,綿花,トウモロコシなどの栽培を始めた。19世紀初頭のナポレオン戦争で英仏海戦の舞台となり,モーリシャス諸島とともに英国に占領され,1814年のパリ会議を経て正式に英国領となった。1903年,モーリシャスから分離して英国直轄植民地を形成,独自の総督府が置かれた。70年に大幅な自治権を獲得し,76年6月英連邦の一員として独立。初代大統領には,中国系の血を引いた自治領時代の首相ジェームズ・リチャード・マンカムが就任した。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051359 |