セネガル（政治・経済）

1999年より一時的に議会は二院制になったが，現在は一院制に戻っている。独立以来，社会党政権下内政は安定していたが，長期政権に対する国民の不満が高まり，2000年セネガル民主党（PDS）党首のワッドが大統領に当選，初の政権交代が平穏裡に行われた。外交的には非同盟主義をとっているが，実際には穏健な親フランス外交を展開している。ワッド大統領は「アフリカ開発のための新パートナーシップ（NEPAD）」策定でイニシアチブを取り，また，先進国首脳会議（G8）でもNEPAD提唱国として招かれるなど，アフリカにおけるリーダーの一人として国際的な認知度を高めている。南部のカザマンス地方に分離独立運動があり，激しい武力衝突が起こった。99年一時停戦合意するも交渉は停滞，02年に入っても政府軍の掃討が継続した。しかし04年，和平合意書の署名がなされた。農業人口が総人口の75％を占める農業国で，主要産物は落花生であるが，漁業の近代化によって水産業も大きく伸び，マグロ，カツオ，エビ，タコなどを捕獲する。またモーリタニア，マリと共同で進めているセネガル川流域の開発が進めば農水産国としての発展が期待される。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051377