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チャド(国のなりたち)


8世紀以降,カネム,ボルヌー,ワダイなどイスラム教都市王国が興亡を繰り返したが,19世紀半ばから英国,フランスドイツによる探査が始まり,1894年に勢力圏を定める英仏協定で現国境が確定した。1900年フランス保護領となり,10年チャド州と命名してフランス領赤道アフリカの一部に編入。58年11月,フランス共同体の自治国に昇格したのち,60年8月正式に独立した。独立後,北部のイスラム教徒と南部のキリスト教徒の対立が激化,南部に肩入れしたトンバルバイエ大統領は軍事クーデターで殺害され,フランスの軍事介入,近隣諸国の調停と曲折を経て,79年各派連立の政権が樹立された。しかし,北部支持派の大統領と軍との対立が再び先鋭化して内戦に発展。支援を受けたリビアのカダフィ政権は80年12月チャドに軍事介入,翌1月リビアチャドの間に国家統合に関する合意を発表したが,実態はリビア主導の「イスラム教サハラ連邦」の政略の色彩が濃く,周辺各国はこぞってリビア軍の介入に反発した。81年11月,国際的な非難をかわしきれなくなったリビア軍は撤退を余儀なくされ,国家統合の目論見はご破算となった。




東京書籍
「世界各国要覧」
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