中央アフリカ（政治・経済）

1965年にボカサがクーデターを起こし自ら大統領に就任，12年間統治した。その間国名を「中央アフリカ帝国」と改称し，自らを「皇帝ボカサ１世」と名乗って盛大な戴冠式を挙行するなど，独裁政治をほしいままにした。特に79年１月少年少女数十名を殺害したことが明るみに出て，悪名高い人物となった。79年クーデターで共和制にもどり，99年大統領選挙も実施されたが，以後も軍部による争乱が続き，国連が介入した。2001年クーデター未遂で国外に逃亡した元首相ボジゼは，03年３月首都バンギを制圧，憲法を停止し国会を解散，自ら大統領を宣言した。ボジゼ暫定政権は04年に新憲法を国民投票で採択，05年大統領選挙を実施し，正式に大統領に就任した。外交は非同盟を基本としているが，旧宗主国フランスとの関係が深い。中国と外交関係を復活させ，台湾と断交した。綿花，コーヒー，タバコなど多種の農産物と良質の木材を産する。また鉱物資源としてはダイヤモンド，金，ウランなどがある。海から1,000㎞以上離れているという地理的悪条件が貿易上の大きな障害になっている上，度重なる政情不安により経済は困窮している。01年のクーデター未遂による経済への影響も大きく，財政を圧迫している。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051409