ナイジェリア（国のなりたち）

発掘された土器などにより紀元前５～前３世紀に古代文明が栄えていたことが明らかにされているが，中世までの歴史は不明である。南部では12～17世紀にヨルバ族によるイフェ王国，ベニン王国が栄え，北部では７世紀以降イスラム文化が花開いた記録がある。欧州人の来航は15世紀末からで，17世紀には奴隷貿易が最盛期を迎えた。19世紀になると英国が支配圏を拡大し，1914年北部と南部を合わせてナイジェリア植民地を形成。第二次大戦後，1951年の国民投票の結果，東部，西部，北部の３地区で自治政府が生まれ，60年10月に独立して63年には共和制に移行した。独立後は政情不安を露呈したが，なかでも東部のビアフラ州の分離独立宣言に端を発する部族間戦争は陰惨さを極めた。「ビアフラ戦争」と呼ばれたこの内戦は67年から70年まで続いたが，最終的に反乱軍は鎮圧された。その後クーデターによる政変が繰り返され，反対派の弾圧，人権問題など国内情勢は依然として安定感に欠ける。民族間の権力抗争から，政府は各民族のバランスに配慮するため内陸部のアブジャに首都を建設，91年に遷都宣言した。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051431