ナミビア(国のなりたち)
先住民はサン族(ブッシュマン)だが,16世紀にバンツー系が東から移動して定住した。1650年代から沿岸部をオランダが占有したが,1884年ドイツが南西アフリカの名で保護領に置いた。第一次大戦のドイツ敗北で,南アフリカ連邦が侵攻・占領し1919年から国際連盟の委任統治領の承認を得て領有。46年,南アフリカ白人政権は国連に国内5番目の州として併合する旨の報告を否決されたため,49年一方的に自国領土に編入した。58年,解放勢力の「南西アフリカ人民機構(SWAPO)」が設立され,66年から武装闘争を開始。同年,南アフリカから信託統治権を取り上げた国連は直接管理下に置くことを決議し,67年に南西アフリカ理事会を設立,68年には国連総会でナミビアと改称した。以来,SWAPOと南アフリカ,独立を支援するアンゴラやキューバ兵の進駐などとの間に武力闘争が続いた。国連や米国が積極的に独立に向けて働きかけを行った結果,89年末独立のための制憲議会選挙を実施してSWAPOが過半数を制し,90年3月,アフリカ最後の植民地ナミビアは議会制民主主義国家として独立。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051439 |