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ニジェール(政治・経済)


1992年憲法が制定されてからも96年にクーデターが発生,さらに99年4月に軍がクーデターを起こし,マイナサラ大統領が殺害され,11月,選挙によりママドゥタンジャ大統領に選出された。以来,タンジャ大統領の下,安定的な政権運営のもと民主化プロセスが進められた。2004年の大統領選挙も平穏裡に実施され,現職タンジャ大統領が再選を果たした。非同盟中立を標榜しつつ,近年の厳しい経済状況を背景に旧宗主国であるフランスをはじめとする先進諸国との関係緊密化に努めている。中国と断交して台湾と国交を再開していたが,97年には再び中国と国交を再開し,台湾と断交している。また,タンジャ大統領は西アフリカ経済通貨基金(UEMOA)首脳会議および西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の議長を務めるなど,西アフリカ地域の和平や経済的安定に向けた関与を強めている。産業は農業と牧畜が主であるが,天候に左右されることが多く,生産量が落ち込んでいる。この国の財源は産出量世界4位のウラン鉱で,輸出の50%以上を占めている。その収入をもとに意欲的社会開発を推進してきたが,ウラン国際価格の低下や,畜産物の主要輸出先であるコートジボワール情勢の悪化,さらに04年~05年の砂漠バッタ被害,旱魃の影響で,ニジェール経済は非常に厳しい状況にある。




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「世界各国要覧」
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