モロッコ(国のなりたち)
先住民はベルベル人であるが,紀元前12世紀頃からフェニキア人,カルタゴ人,ローマ人の侵入を受け,7世紀にはアラブ人が進出して8世紀にイスラム教の始祖ムハンマドの子孫がイドリス王朝を開いた。のち,歴代の王朝を経て1666年,現王朝のアラウィー朝が現れ,以来モロッコは18世紀に至るまでスルタン(専制君主)を中心として独立を保ってきた。19世紀に入ると欧州列強のアフリカ進攻が始まり,モロッコは列強角逐の渦中に置かれた。1912年のフェス条約では大半はフランスの保護領に,地中海沿岸部はスペイン領と分割統治が決定。第二次大戦後も引き続きフランスはモロッコ支配を図ったが,民族解放への抵抗は激しさを増し,56年3月王国として独立を回復した。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051542 |