太平洋・島サミット
日本が太平洋島しょ国会議(PIF)加盟国の首脳を招待し、3年に1度日本で開催する首脳会議。日本、オーストラリア、ニュージーランドが援助供与国として、フィジーを筆頭に島しょ国から14カ国・地域が途上国として参加する。1997年の第1回首脳会議以来、定例化している。2006年5月に沖縄県で開かれた第4回首脳会議では、小泉首相とパプアニューギニアのマイケル・ソマレ首相が共同議長を務め、「より強く繁栄した太平洋地域のための沖縄パートナーシップ」という宣言を採択した。すべての島しょ国は日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持する日本支持派で、日本外交にとって確実に票読みができるありがたい存在。しかし中国は06年4月、中国・太平洋島しょ国経済開発協力フォーラムをフィジーで開いて、存在感を急速に高めようとしており、日本の影響力は相対的に低下する可能性もある。このため日本政府は今後3年間で450億円の政府開発援助(ODA)を供与することを発表した。支援策の柱は感染症・防災対策、IT(情報技術)専門家や行政官の人材育成、青少年の交流などで、人材育成を日本の比較優位と位置づけ、中国との差別化を意識している。
| 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14845609 |