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江戸時代に流行った女性の髪型は?


女性誌でオールシーズン読者から支持されるページといえば「ヘアスタイル」特集。内容も「ついに発見、モテ髪の法則」「生活臭のないマダムスタイルにするコツ」などいつも盛りだくさんですが、ヘアスタイルは江戸時代も女性にとっては大きな関心事でした。
江戸の女性たちは、上流階級以外は髪も自分で結わなければなりませんから、一二、三歳になると一人で結う稽古をし、腕がだるくなるまで練習したそうです。
ヘアスタイルをキメるテクニックは、現在と同様、自分のフェイスラインや好みでいろいろアレンジしたので、二八〇ものヘアスタイルがあったとか。
しかし、これは細かなバリエーションをも含めた数で、基本のパターンは武家か町人かなどの階層や年齢・職業(堅気(かたぎ)か粋筋(いきすじ)か)で押さえるべき約束事がありました。
江戸後期の庶民のヘアスタイルのキーワードは「島田」です。「十六島田」ともいうように一六歳ころから嫁入り前の娘が結う髪型で、頭上でいったん結んだ髪を二つに折り曲げたものがあります。人妻の場合は、堅気の女房の代表的な髪型は丸まげ。同じ人妻でも二四、五歳以上の町方のイケイケタイプは「おばこ」、また身分の低い者やお妾(めかけ)さんなどは「しゃこ」と呼ばれる髪型にしていました。年増(としま)は「しのじまげ」、粋筋には「つぶし島田」「島田くずし」などヘアスタイルも危うい雰囲気のものが好まれました。




角川学芸出版
「話を盛りあげる究極の雑学」
JLogosID : 5180519