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土甘郷(古代)


奈良期~平安期に見える郷名「和名抄」相模国高座【たかくら】郡十四郷の1つ訓みは記されていないが,「地理志料」では「トカミ」とよむべしとする天平7年閏11月10日の相模国封戸租交易帳に「従三位鈴鹿王食封 高座郡土甘郷伍拾戸,田壱伯柒拾捌町陸段参伯伍拾参歩」とあり,その内訳は後欠で詳しくはわからないが,不輸租田110町4反65歩が含まれていたことがわかる(正倉院文書/県史資1‐古58)また宝亀2年3月8日の沙弥慈窓経師貢進文によると「相模国高座郡土甘郷戸主大田部直乎多麻呂戸口矢作部広益」が貢進されている(正倉院文書/大日古6)その後鎌倉期には砥上ケ原【とかみがはら】が見え,当郷の後身にあたる地と考えられるなお天長3年・元亨2年・天正13年の再建銘を有する鵠沼【くげぬま】の烏森神社の棟札には「奉勧請土甘郷神明宮祭神天照皇太神」と見える(烏森神社旧記/藤沢市史1)現在の藤沢市鵠沼海岸付近に比定される




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7304277