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平緒(中世)


 鎌倉期から見える地名。名草【なぐさ】郡のうち。地内には熊野九十九王子社の1つ平緒王子が所在した。「明月記」建仁元年10月8日条には後鳥羽院の熊野参詣の一行が那口王子に立ち寄ったことが記され,その注記に「先是又両王子御坐云々,ワサ(和佐)王子,平緒王子,非道之次之間不参,先達許奉幣」と見え,藤原定家が日前・国懸宮に奉幣したため当王子社に立ち寄らず,先達が奉幣のみを行ったことが知られる。また「頼資卿記」承元4年4月24日条に「和佐・平尾両王子予不参向,路不便之故也」とあり,脩明門院の熊野参詣に従った藤原頼資も日前・国懸宮に奉幣し,和佐・平緒の両王子が道からはずれていたため立ち寄らなかったと記している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7406292