新荘川
【しんじょうがわ】

新荘川水系の本流。２級河川。高岡郡葉山村から須崎市へ流れる。流路延長約24.9km。高岡郡葉山村白石，鶴松森の南に源を発し，北の不入(いらず)山脈と南の御領寺山脈の間を東流し，須崎市下分に至り須崎湾に注ぐ。北の不入山脈南麓を東西に走る仏像構造線，南の御領寺山脈の東川構造線との間に挟まれた葉山地溝帯を東流し，中流から上流にかけて三間ノ川・久保川・上桑ノ川などの多くの支流が不入山脈から流れ込む水量豊かな清流である。流域には梶足石原野・鍵野々・舟野・大野などの地名にも示されるように河岸段丘がよく発達し，水田に利用されているが，大川付近から上流ではあまり発達していない。葉山村内を縦谷をなして東流したのち，須崎市上分の夫領あたりから南流し，横谷を形成，遅越付近から再び東流する。河口は須崎港であるが，付近の沖積低地では水田のほか，キュウリ・ピーマン・オクラなどの施設園芸が盛ん。また新荘川はアユ漁でも有名で，釣り客でにぎわう。昭和49年以来，ニホンカワウソも発見されている。なお，新荘の名は，中世の荘園津野本荘に対する新荘に由来する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7606995