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PRE手引書
【ぴーあーるいーてびきしょ】


2009年に国土交通省が公表した「PRE戦略を実践するための手引書」のこと。主に地方公共団体が、所有する不動産の課題や問題点を把握して戦略的に管理や運用を行うための方法や、参考となる事例を説明したもの。国が地方公共団体のPRE戦略を推進するのは次の二つの背景がある。
一つは、不動産を取り巻く状況の変化である。人口・世帯数の減少といった社会情勢の変化や産業構造の転換を背景に、土地の需要が縮小する時代を迎え、空き地や廃屋などの低・未利用地が増加してきている。また地域によっては、需要減少ばかりでなく、都市構造が変化した結果、公共施設の統廃合や再配置の検討が必要になっているところもある。そのような中で、不動産は過去のように価格上昇を続ける資産でなくなったばかりか、耐震性、アスベスト、土壌汚染など、様々なリスクを抱える資産として扱わなければならなくなっている。
二つ目は、地方公共団体を取り巻く状況である。地方公共団体が所有している不動産は老朽化しているものが増えてきており、今後の改修・維持の費用負担が財政に重くのしかかってくることが避けられない。それにもかかわらず、多くの地方財政は厳しい状況が続いている。財政健全化に向けた取り組みの一つとして、公会計制度の見直しが進んでいて、資産・負債に関する情報開示と適正な管理が求められるようになってきているが、その中で、保有不動産の正しい現状と価値の把握をするとともに、未利用不動産については売却や有効活用が必要となってきているのである。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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