ケータイ辞書JLogosロゴ 沼館村(近世)


青森県>稲垣村

 江戸期〜明治22年の村名。津軽郡田舎庄のうち。弘前藩領。木津谷家由緒書によれば,当村は能登国の能登谷市兵衛と木津谷徳兵衛により正徳2年に開発に着手され,享保元年には沼館村と称するようになったという。また,開発後9年目で家数6・人数18であった(稲垣村史)。享保12年に広須新田川通り32か村のうちの1村として見え,村位は下,免合は四ツ成とある(平山日記)。村高は,元文元年検地帳118石余(田114石余・畑屋敷4石余),「天保郷帳」197石余(うち弘前本では寛政10年改出新田122石余・文政2年改出新田74石余),「旧高旧領」198石余。元文元年の検地帳によれば,反別は田21町9反余・畑屋敷1町1反余,このほかに開発可能地(田)4町余が見える。天明の飢饉などによって開発中止あるいは廃村となる村も多く,江戸後期〜幕末に再開発された村もあったが,当村も,「津軽歴代記類」によれば,文政6年の新田開発功労者に対する恩賞の記事の中に,享保初年から文政年間の間に成立した新開村として「沼館村,広須組」と見えている。神社は,享保3年の創立という天満宮が地内友開にある(安政2年神社書上帳)。同社は宝暦2年に語村の稲荷神社を合祀し,のち大正5年に二柱神社と改称する(稲垣村史)。なお,天満宮は明治初年の一時期,再賀村石上神社に合祀される(国誌)。明治4年弘前県を経て,青森県に所属。同11年西津軽郡に属す。明治初年の戸数35,村況は「地は平坦なれとも悪しく田多く畠少」という(同前)。明治9年沼館派・緑川・語の3か村を合併。同12の「共武政表」によれば,戸数54・人口379(男191・女188),馬116,物産として米・糯。同22年稲垣村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7251958
最終更新日:2009-03-01




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