根小屋沢村(近世)
江戸期〜明治9年の村名津軽郡田舎庄のうち根子屋沢村とも書く近代以降は根小屋村と称することもあった(国誌)青森平野の北東部に位置し,地内を原別川上流根小屋沢川が北流する西側に砥山(砥取山),東側に薬師山がそびえる東に築野木館村,北西に諏訪沢村がある弘前藩領当村は江戸初期に開発され成立したが,すぐに廃村状況となって諏訪沢村に吸収され,のち享保11年の郷村改の際に諏訪沢村から再び分村したものと思われるなお,「貞享4年検地水帳」の諏訪沢村の記事として,「享保十一年郷村御改之節,水木館村を根小屋沢村と御改被成候ニ付,此諏訪沢村高之内御仕分,水木館村御立被成候」とあり,「村名改称并新村創立調」でも同内容の経緯を記すこれらによると,享保11年に諏訪沢村から分村した村が,根小屋沢村の旧村名水木館村を受継いだということになるが,「貞享郷村帳」「寛保高辻帳」「天保郷帳」に見える水木館村の村高が同一であること,「平山日記」享保12年の記事の中に「諏訪沢村より根小屋沢村新ニ分る」と見えることから推察すると,水木館村はもとから変らず,享保11年の郷村改に際して諏訪沢村より分村したのは根小屋沢村と考えた方がよいと思われる村高は,「正保高帳」14石余,「寛文高辻帳」「貞享4年検地水帳」には見えず,「寛保高辻帳」14石余,「天保郷帳」35石余(うち弘前本では天明8年改出新田21石余),「旧高旧領」64石余明治2年の諸組村寄帳(弘前図書館郷土資料目録7)によれば,当村は横内組に属す明治4年弘前県を経て,青森県に所属明治初年の「国誌」には根小屋村と見え,「家数五軒,旧は当村を大根小屋と云て今の諏方沢村の小字根子屋を小根小屋と大小に分ち唱しか,諏方沢村の支村廃して当村は大を省て只根子屋と云ふ,東南の方山に倚,土地瘠田少し,余産なし」とあるまた,同書の諏訪沢村の記事の中に「又水木館の北に続て根小屋沢村と云格村〈家六軒〉ありしか,今は本村に合て一村となす」と見えるこれらから,当村は大・小根小屋沢に分けられており,またこの頃すでに小根小屋沢は実質諏訪沢村に吸収されていたことがわかるなお,明治7年の県管内村名簿には根小屋沢村が一村として見え,のち諏訪沢村に合併したという印があり,同9年頃諏訪沢村の一部となったと思われる
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7251983
最終更新日:2009-03-01