東沼村(近世)
江戸期〜明治22年の村名。沼村とも称した。はじめ櫛引【くしびき】郡,寛文4年からは田川郡のうち。はじめ上杉氏領,慶長6年最上氏領,元和8年庄内藩領,慶安2年大山藩領,寛文9年幕府領,元治元年からは再び庄内藩領。京田通に属す。村高は,元和8年の御知行目録では沼村と見え331石余,寛永元年の庄内検地高辻461石余,「天保郷帳」「旧高旧領」ともに480石余。寛文年間頃から東沼村と称するようになる。明和9年の村明細帳によれば,村高480石余,戸数39・人口194,馬23。幕末期の「弐郡詳記」では村高480石余,家数37軒(東沼20・興屋17)。農業用水は青竜寺川の分水堰の善阿弥堰を利用。善阿弥村との入会秣場をめぐって,寛保元年に秣場一件が起こり,3分の1を当村が支配することで決着。地内の大滝家は江戸中期から土地集積を始め,庄内地方における幕府領内では第5位の大地主。寛政年間新助が酒造業をしているが,文化年間には廃業。鎮守は観音堂。鶴岡県を経て明治9年山形県に所属。同11年の一覧全図では,反別61町6反余,戸数39・人口229。明治11年西田川郡に属し,同22年東郷村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7264482
最終更新日:2009-03-01