ケータイ辞書JLogosロゴ 葛尾村(近世)


福島県>葛尾村

 江戸期〜明治22年の村名。田村郡のうち。三春藩領。上移村から分村して成立。村高は,万治2年の村高之覚では160石余,享保4年の高帳では本田160石余・新田103石余・栗原新田388石余,「旧高旧領」では標葉郡に属し,665石余。なお「元禄郷帳」には「上宇津志村枝郷」の注記があり,「天保郷帳」には上宇津志村の注記に「古者上宇津志村・葛尾村・横道村 三ケ村」と見える。当村は三春駒の馬産地の中でも最も産馬に適しており多くの名馬を産出した(田村郡郷土史)。松本勘解由の子孫好倉は,南部盛岡藩領野田鉱山の鉏鉄を宮古港より移入し練鉄・延鉄として販売する製鉄業を経営した。近隣の諸村では大半の農民が製鉄業に従事したが(松本家家譜伝),江戸末期には洋式高炉の開設でこの事業は衰退した。また松本氏は安政年間には俗に「葛尾三九郎大尽」として豪勢を誇り,新義真言宗室生寺派薬師寺を創建した。神社は磯前神社。同社には松本氏歴代の墓がある。磐前【いわさき】県を経て明治9年福島県に所属。同20年の戸数51・人口331。明治12年標葉郡に属し,同22年葛尾村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7266681
最終更新日:2009-03-01




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