ケータイ辞書JLogosロゴ 小野郷(古代)


茨城県>新利根町

 平安期に見える郷名。「和名抄」常陸国信太【しだ】郡十四郷の1つ。藤原兼通の四男で,長徳元年に没した朝光の和歌集「閑院左大将朝光卿集」に「ひたちのをののみまきよりくさたてまつりたるをみたまひて」と詞書が見え,「常陸なるをののみまきの露草をうつしは駒のをくにそ有ける」という和歌が収められている(群書14)。天長3年創立と伝える逢善寺が小野篁との関わりで寺領800町を寄進されたという伝承を残すことから,古くから放牧が行われていたことが想定される。小野に馬場・馬乗場・馬坂・駒塚などの地名が残り,江戸崎町に駒塚の大字名が残る。当郷の比定地について,「新編常陸」は江戸期の「小野・椎塚・駒塚・伊佐津・角崎・狸穴・堀川・桑山・清水等」にあて,「地名辞書」は旧太田村に比定している。新利根町小野に愛宕山古墳,同村寺内に諏訪原古墳群,同村狸穴に狸穴角崎古墳群,江戸崎町駒塚に大塚山古墳,東町清水に清水古墳群がある。小野川と新利根川に挾まれた台地上,現在の新利根町小野・寺内・狸穴,江戸崎町駒塚,東町清水のあたりに比定される。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7272477
最終更新日:2009-03-01




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