亀隈郷(中世)とは-辞書辞典解説@JLogos

亀隈郷(中世)

　鎌倉期～戦国期に見える郷名｡真壁郡のうち｡寛喜元年7月19日の将軍九条頼経袖判下文に,｢常陸国真壁郡内……亀隈〈已上六ｹ郷公領〉地頭職事｣と見え(真壁文書/鎌遺3848),真壁友幹の子息時幹に安堵されている｡文永6年2月16日,時幹から子息盛時へ譲与され(真壁文書/鎌遺10381),正安元年11月23日盛時から,孫の幹重に譲与された(真壁文書)｡弘安田文に｢亀隈二十三丁四段六十歩｣と見え(税所文書/県史料中世Ⅰ),嘉元田文も同数値で記載(所三男氏所蔵文書)｡正和5年12月7日の裏書のある真壁郡亀隈郷内北荒野村田畠散田目録によると,｢北荒野分｣のうち｢弐反　星宮神田｣｢五町余　平野｣を除く3町3反が散田とされ,清太郎入道以下4人が請作している(真壁文書)｡康永3年7月2日,真壁高幹は当郷を含む9か郷の地頭職を足利尊氏から充行われ(真壁文書/大日料6-8),永和3年2月5日広幹から顕幹へ(真壁文書),応永11年12月15日顕幹から秀幹へ譲与された(真壁文書/大日料7-6)｡なお｢亀隈郷内前田部拾町｣は,はじめ竜蔵主に譲与されたが,顕幹(聖賢)に対し不義をはたらいたため悔返され,秀幹に譲与されている(同前)｡応永16年10月4日にも,顕幹から｢いたゐけ二郎｣に当郷のうち田1町1反ほかが譲与されている(真壁文書)｡応永30年秀幹は,鎌倉公方足利持氏に抵抗していた小栗満重を将軍足利義持の命により援助したため持氏に所領をすべて没収され(真壁安幹文書/家蔵文書),真壁郡は鎌倉府の御料所となるが,永享8年,秀幹の甥にあたる朝幹は,持氏に赦免されて真壁郡を預けられ(同前),再び真壁氏によって支配された｡こののち朝幹は,享徳年間に某と所務相論に及び,享徳5年6月3日係争地は折半され,｢真壁郡亀熊郷〈堀内南方･宿南方･細柴村･新堀村･西荒野村〉……等｣が朝幹の所領として打渡されている(真壁文書/古河市史)｡永禄2年6月1日,真壁久幹は｢名字之地廿余郷｣を古河公方足利義氏から安堵されており,戦国期は真壁氏の支配下にあった(同前)｡真壁氏の支城として亀熊館があったという(真壁旧伝記)｡天正18年,豊臣政権のもとで佐竹領に編成される｡

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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7273033
最終更新日:2009-03-01

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