伴部郷(古代)
平安期に見える郷名｡｢和名抄｣常陸国真壁郡七郷の1つ｡｢新編常陸｣には｢旧名ﾊ大伴ﾄ云ﾌ,大伴ｦ以ﾃ名ﾄｽﾙﾓﾉﾊ,景行帝ﾉ時,大伴部ｦ置ｶﾚﾀﾙ地ﾅﾚﾊﾞﾅﾘ,淳和天皇即位ｽﾙﾆ及ﾃﾞ,諱大伴ｦ避ﾃ,大伴氏ｦ更ﾃ伴氏ﾄｼ,諸国ﾉ大伴郷ｦ更ﾃ伴部ﾄｽ｣とあり,当郷もその1つという｡同書は当郷を江戸期の｢青木･羽田･阿部田･原方･友部･水戸･犬田･青柳･本新田･西新田｣などにあて,友部を遺称地とする｡｢地名辞書｣は｢今詳ならず……されど郡の南界,上野･石田の辺に郷名を欠けば,それに擬すべし｣とし,｢新編常陸｣の友部の地とする説を否定しているが,疑問｡岩瀬町松田に松田古墳群･稲荷塚古墳,同町西友部に花園古墳群,同町曽根に曽根古墳群,同町猿田に門畑遺跡(須恵器)などがある｡加波山の北麓,現在の岩瀬町南東部のあたりに比定される｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7275317
最終更新日:2009-03-01