谷貝郷(中世)とは-辞書辞典解説@JLogos

谷貝郷(中世)

　鎌倉期～戦国期に見える郷名｡常陸国真壁郡のうち｡桜川の西方に位置する｡弘安田文に｢谷貝十五丁｣と見え(税所文書/県史料中世Ⅰ),嘉元田文も同数値で記載(所三男氏所蔵文書)｡真壁友幹から時幹ならびに藤原氏子への地頭職譲与を安堵した寛喜元年7月19日の将軍九条頼経袖判下文に当郷は見えず(真壁文書/鎌遺3847･3848),これ以前に庶子に分割譲与されていたものと思われる｡永享7年8月9日の常陸国冨有仁注文写に,｢谷萱　散祐入道　栗田御知行｣と見え,栗田氏の所領であった(続常陸遺文)｡こののち享徳5年(康正2年)6月3日の某左衛門尉康定･前下野守義行奉書に｢常陸国真壁郡……上谷貝郷内金敷村半分……等事｣と見え,真壁朝幹は某と所務相論の結果,係争地を折半され,上谷貝郷内金敷村の半分は朝幹の所領として打渡された(真壁文書/古河市史)｡永禄2年6月1日,真壁久幹は,｢名字之地廿余郷｣を古河公方足利義氏から安堵されており,戦国期は真壁氏の支配下にあった(同前)｡江戸期の上谷貝村･下谷貝村,現在の真壁町上谷貝･下谷貝に比定される｡

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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7277069
最終更新日:2009-03-01

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