ケータイ辞書JLogosロゴ 上大賀(中世)


栃木県>岩舟町

 南北朝期に見える地名。佐野荘のうち。観応元年8月20日の阿曽沼秀親譲状に「譲与 所領等事……一所 同(下野)国佐野庄内上大賀・下大賀・冨地・韮河等地頭軄事」と見え,当地は阿曽沼氏の所領であった(小山文書/県史中世1)。年月日未詳の所領注文案にも「佐野庄之内 上大賀・下大賀・冨地・韮河等地頭軄事」と見える(同前)。この所領注文案は,従来は鎌倉期の小山朝政所領注文案とされているが,その内容・成立年代が疑問視され,阿曽沼氏の所領と室町期以降の小山氏の所領を含み込む形で,永徳2年の小山義政滅亡後,小山泰朝が小山氏を再興した応永年間以降に作成されたものである。文和3年頃と推定される2月27日の足利尊氏書状に「小山左衛門佐氏政申下野国阿曽沼民部大輔跡事,宜所計御沙汰候哉」と見え,尊氏は小山氏政の訴えを取り入れて,足利基氏に対し阿曽沼氏の跡地を宜しく取りはかるように命じているが,本文書は研究の余地がある(松平基則氏所蔵文書/県史中世2)。阿曽沼氏は南北朝期に没落したと考えられるが,小山氏が阿曽沼氏の遺領である当地の地頭職を獲得したかどうかは未詳。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7278467
最終更新日:2009-03-01




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