新井村(近世)
江戸期〜明治22年の村名。群馬郡のうち。はじめ高崎藩領,元禄10年幕府領,正徳元年から安中【あんなか】藩領と旗本有馬氏領の相給となる。村高は,「寛文郷帳」で530石余うち田方350石余・畑方180石余,「元禄郷帳」も530石余,「天保郷帳」708石余,「旧高旧領」も708石余。2給となったためか,南新井村・北新井村の2か村に分けて記されることもあり,三国街道金古宿の助郷を勤めた。安政2年の渋川村組合村柄書上帳(堀口家文書/県史資料編13)によれば,家数119・人数536,馬29で,うち安中藩領分の家数41・人数202,馬12,旗本有馬氏領分の家数78・人数334,馬17,農間稼は薪などの取入と女性の絹太織木綿糸機稼とあり,山仕事と養蚕機織が中心であった。幕末の改革組合村高帳でも渋川村寄場組合に属し,高530石余,家数160。なお弘化3年の寄場組合職人手間賃請書(森田家文書/同前)には,当村の材木師3名・油絞人1名・木綿打4名・酒造人1名が署名している。慶応4年西上州を席巻した世直し騒動は当村にも波及し,3軒が打毀に遭った。鎮守は品陀別命を祀る八幡社,寺院は天台宗興徳寺・観音寺。なお新井村根元帳(浅見家文書/同前)によれば,桃井領13か村に慶安4年1村1体の十三仏が配置され,村組が定められたとある。明治元年旗本領は岩鼻県,同4年安中藩領は安中県からともに群馬県となり,同6年熊谷県,同9年群馬県,同11年群馬県西群馬郡に所属。「郡村誌」によれば,村の東西850間・南北707間,税地は田53町2反余・畑147町1反余,改正反別で田35町8反余・畑128町3反余・山林雑種地134町1反余,戸数216・人数936(男472・女464),馬50。明治21年の「名称区域」では,田35町9反余・畑132町2反余・宅地20町9反余・山林130町1反余・原野1町9反余など合計356町8反余,戸数209・人口1,095。同22年桃井村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7281376
最終更新日:2009-03-01