ケータイ辞書JLogosロゴ 厚河郷(中世)


埼玉県>坂戸市

 室町期から見える郷名。入西【につさい】郡のうち。応永17年5月3日の前安芸守貞春寄進状(黒田文書/大日料7-14)が初見史料。同寄進状には「奉寄進 武蔵国入西郡……并厚河郷末松名之内田弐段・畠壱所事……円覚寺伝宗庵江,同所奉寄進之状如件」とあり,粟生田【あおうだ】郷・厚河郷の貞春の所領が,浅羽【あさば】郷の浄願寺(現坂戸市大字成願寺)の塔頭曇華庵主の寄付の旨に任せて円覚寺(神奈川県鎌倉市)の伝宗庵に寄進された。永正4年3月17日の願文(潮崎稜威主文書/熊野那智大社文書)には,「武蔵国入西之郡厚川,坂下,万福坊,ふち山之郷師廊之房也,我ら之門弟引ハ一円たるべく候……源永(花押)むさし之国あつ川之多福坊駿永 廊之房江参」とあり,当地方への熊野信仰の浸透をうかがい知ることができる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7285245
最終更新日:2009-03-01




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