上戸村(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡高麗郡のうち｡古くは三芳野郷に属したという｡郷帳類には上ﾊ戸とも書く｡はじめ幕府領,のち正保の頃から川越【かわごえ】藩領,幕末には上野【こうずけ】前橋藩領｡検地は慶安元年｡新田検地は延享年間｡村高は｢田園簿｣では畑のみ203石余,｢元禄郷帳｣118石余,｢天保郷帳｣125石余｡村の規模は東西7町余･南北5町余｡化政期の家数31軒｡村内を秩父【ちちぶ】より川越への往還が通る｡村内の山王社は鯨井【くじらい】村･的場【まとば】村と当村の総鎮守｡神社はほかに神明社･天王社｡寺院は時宗川越山常楽寺で,開山智徳上人は元応2年の入寂と伝える｡当寺は川越館跡の地で,小田原北条氏の家臣大道寺政繁の館跡ともいわれ,大道寺氏の菩提寺であった｡寺院はほかに本山派修験大広院｡高札場は村の中央部に廃跡があり,かつて破壊されたという｡明治9年埼玉県に所属｡同年の戸数37･人口162,馬15,荷車1｡物産は大麦･小麦･大豆など｡同12年高麗郡に所属｡同22年名細【なぐわし】村の大字となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7285740
最終更新日:2009-03-01