平方村(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡埼玉郡新方【にいがた】領のうち｡天正19年の徳川家康寄進状には｢崎西郡平方郷｣と見え,林西寺に25石の寺領が寄進されている｡幕府領｡最終検地は元禄8年｡村高は｢田園簿｣では1,061石余,田と畑の比率は21対79,｢元禄郷帳｣｢天保郷帳｣ではともに1,423石,｢旧高旧領｣では1,493石余｡村高のうちに浄土宗林西寺領25石があった｡｢元禄郷帳｣｢天保郷帳｣には枝郷として谷原【やはら】新田(春日部【かすかべ】市)69石余が見える｡村の規模は東西20町･南北10町余｡化政期の家数185軒｡用水は元荒川から引水｡粕壁【かすかべ】宿(春日部市)の助郷役を負担｡鎮守は組ごとに設けられ香取･鹿島･女体･浅間社など｡寺院には新義真言宗西光寺･浄土宗林西寺など6寺｡高札場は村の北｡明治4年埼玉県に所属,同9年の戸数204･人口1,052,馬15,水害予備船15･耕作船27･渡船2,人力車2･荷車7｡物産は米･麦･大豆･ｿﾊﾞ･菜種,ほかに製茶･養鶏も行われた｡備後村と谷原新田の間(字谷原),大畑村のうち(字大畑),大枝村と恩間村の間(字大枝)に飛地がある｡また地内に一之割村･備後村･谷原新田･大畑村･大枝村･恩間村の飛地がある｡同12年南埼玉郡に所属｡同22年桜井村の大字となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7289840
最終更新日:2009-03-01