普済寺村(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡榛沢【はんざわ】郡岡部領のうち｡古くは大寄郷藤田荘に属したという｡はじめ旗本安部氏(のち幕閣の一員)の知行,宝永2年岡部藩領,幕末は三河半原藩領｡検地は延宝2年｡持添新田の櫛引原新田の検地は延享2年で幕府領｡村高は｢田園簿｣では｢普西寺村｣と見え989石余,うち田827石余･畑162石余｡｢元禄郷帳｣で991石余,｢天保郷帳｣では1,249石余｡村の規模は東西8町余･南北28町｡化政期の家数71軒｡高札場は岡部村との境にある｡鎮守は天神社,神社はほかに弁天社など5社｡寺院は曹洞宗玉竜山普済寺で,岡部忠澄が当地を領した頃栄朝禅師を慕い当寺を建立,忠澄らの墓石の五輪塔6基がある｡ほかに当山派修験地神山多宝院｡明治9年埼玉県に所属｡同年の戸数109･人口493,馬41｡泉の弁天池があり名水であったという｡飛地は村の南に1か所と岡部村のうちに1か所｡公立小学校は普済寺を仮用した普済寺学校,生徒数61｡物産は米･麦･大豆･小豆･ｱﾜ･ｿﾊﾞ･桑･蚕卵紙･生絹･太織･鶏卵などで,蚕卵紙は横浜港(神奈川県)から海外に輸出し,太織は深谷【ふかや】町(深谷市)に出荷｡同12年榛沢郡に所属｡同22年岡部村の大字となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7289995
最終更新日:2009-03-01