不動岡村(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡埼玉郡羽生【はにう】領のうち｡古くは葛浜【くずはま】郷太田荘に属したという｡はじめ幕府領,のち旗本高木･遠山･江原氏の相給｡翌3年彦坂･中山･戸田･余語氏の知行は幕府領となり,他は幕末に至る｡一説には寛永8年の検地後から宝永2年まで上野【こうずけ】館林藩領であったという｡検地は寛永8年｡村高は｢田園簿｣で905石余,うち田486石余･畑方419石余,｢元禄郷帳｣で1,254石余｢天保郷帳｣で1,264石余｡村の規模は東西13町余･南北10町余｡化政期の家数200軒｡用水は会ﾉ川北河原用水を利用｡鎮守は稲荷社3社｡寺院は新義真言宗総願寺ほか4寺｡高札場は村の中央･東部･北部の3か所｡小名は不動島(不動尊の漂着した所という)･上根付･下根付･重見･殿田･鍋沼など｡明治4年埼玉県に所属｡同9年の戸数235･人口1,171,馬37,水害予備船13,人力車12･荷車4｡物産は米･麦･大豆･ｿﾊﾞ･清酒･醤油･濁酒･木綿青縞,米･大麦･木綿青縞を加須【かぞ】町･東京に出荷｡民業は農業152戸･商工業78戸,女性は農間に木綿織を営み,なかに縫織をなす者8人｡明治6年総願寺を仮用し公立小学校不動岡学校を開設,生徒数,男120･女30｡村の南に民家を仮用し郵便局を開局｡同12年北埼玉郡に所属｡同13年私立会川中学校が開校,同18年郡立不動岡中学校となる(現県立不動岡高校)｡同22年不動岡村の大字となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7290059
最終更新日:2009-03-01