ケータイ辞書JLogosロゴ 古戸(中世)


千葉県>富津市

南北朝期から見える地名上総国のうち「ふんと」または「ふと」とカナで見える史料がほとんどであるが,後掲永徳3年10月年貢米結解帳には「古戸」の表記が見えるなお,「ふんと」の「ん」は促音表記とも考えられるので,「ふっと」と発音されていた可能性がある東京湾に面する港湾を擁し,「地名辞書」によれば古戸は古津【ふるつ】の意で,市原郡の今津に対する名称という応安3年上総国周東郡波多沢村検見帳(金沢文庫文書/県史料県外)に見えるこの検見帳は金沢称名寺の代官智俊の提出した波多沢村の田数目録であり,応安3年分の年貢として5石8斗を納めたこと,しかも,そのなかから「ふんとのといれう」および「六浦といれう」が各1斗ずつ支払われたことが知られるおそらく,波多沢村の年貢はいったん古戸の問丸に預けられ,六浦に海送されたもので,それぞれの問丸に保管料として問料が支払われたものであろう同じようなことは,翌年9月10日,やはり智俊の提出した年貢注進状や永徳3年10月,庄主帰一が書き残した波多沢村年貢米結解帳(同前)からも知ることができ,港としての当地の重要性がうかがえる古戸がその後も港として存続しえたであろうことは,文明18年道興が当地から木更津を経て吾妻に至ったこと(廻国雑記)からも推測できる比定地は現在の富津【ふつつ】市富津付近
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7296413
最終更新日:2009-03-01




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