ケータイ辞書JLogosロゴ 片桐新田(近世)


新潟県>紫雲寺町

 江戸期〜明治22年の新田名。蒲原郡のうち。享保20年に初検地をうけた紫雲寺潟新田の1村で,同新田開発の後願人片桐村神田利兵衛の請地120町歩・3か村(大中島新田・片桐新田・高島新田)の1つ。幕府領。村高は,元文元年検地帳361石余,「天保郷帳」364石余。元文元年検地帳によれば,村高の反別は33町余,ほかに除地があり,総反別35町余,名請人は助市(高141石余)をはじめとして5名。庄屋ははじめ助市が勤めたが,天保15年から市島徳次郎が勤めた。鎮守は大中島新田の八幡社。また曹洞宗観音院が飛地の字真野原にあった。関川助市は鍬下期間中に片桐村から移住した者で,岡島新田の名請人にもなっている。その後,紀伊国の人新田久左衛門が福島潟開発の金主の1人となるが,失敗により没落し,文政2年当村持高101石余が市島徳次郎へ流質した(市島家文書)。市島家文書によれば,慶応元年の村高は364石余,居村百姓持高4石余,水原村市島徳次郎抱持高136石余,村松浜平野安之允抱持高136石余,中村浜佐藤三郎左衛門抱持高62石余,庄屋は市島徳次郎で,隣村の奥村新田にも村高233石中204石を所持している。明治11年の「小三区村誌」によれば,税地は田38町余・林4町余など総計48町余,貢租は米87石余・金17銭余,戸数20・人口137,民業は農業で,馬4,物産は米・蔬菜・木綿,飛地が字下片桐・下村・上村(2か所)・村西・真野原(2か所)の計7か所あった。同12年北蒲原郡に所属。同22年飛地の字真野原が長者館新田へ編入し,残余は大島村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7308078
最終更新日:2009-03-01




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