ケータイ辞書JLogosロゴ 阿良里(中世)


静岡県>賀茂村

 室町期から見える地名。伊豆国那賀郡のうち。応永3年7月23日付室町幕府管領斯波義将施行状によれば「仁科庄内阿良里」以下の地が上杉安房守憲定に安堵されている(上杉文書/神奈川県史資料編3)。戦国期,小田原北条氏の領国内に属し,「役帳」に伊豆衆の矢野氏の所領役高として「廿五貫文 安良里」と見える。またこの地には小田原北条氏の水軍の基地として安良里(阿蘭)城が設けられたが,天正18年豊臣秀吉の小田原征伐に際し,徳川家康の臣本多重次の率いる水軍に攻められ落城し,城将梶原兼宗以下が討死したという(城郭大系9)。なお「譜牒余録」「譜牒余録後編」などには天正10年のこととして本多重次が「豆州あられ足之城」を破ったことが見えるが,上記の件を記したものであろうか。とすれば,当地は「あられ」とも称したことになる。ちなみに,鎌倉期に成立した歌書「閑谷集」にも「あられといふ浦」とあり,作者が伊豆に住していたこともあると考えられることなどから当地のことであろう。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7347654
最終更新日:2009-03-01




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