ケータイ辞書JLogosロゴ 伊良虞(古代)


愛知県>渥美町

 奈良期から見える地名。三河国渥美郡のうち。「万葉集」巻1に柿本人麻呂の歌として「潮騒に伊良虞の島辺漕ぐ船」,詞書に「伊勢国伊良虞島」と見える麻続王伝誦歌に「伊良虞の島の玉藻苅り食す」などと見える。半島を島と詠むのは古代には広く見られる。この万葉地名には三重県神島説があり,麻続王歌には鳥取県説もある。また承安4年5月29日の三重県伊勢市浦口町出土の瓦経に「三河国渥美郡伊良期(ママ)郷」と見え,伊勢外宮神官の度会氏が施主となっているなど(経塚遺文286),伊勢国との関係は深く,古代では一部に伊勢国所属と見られていたふしがある。歌枕書も当地を,「和歌初学抄」は三河国とするが,「五代集歌枕」「八雲御抄」「歌枕名寄」などは伊勢国とする。
解説文を自分にメール
メアド:Milana@docomo.ne.jp

(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7354750
最終更新日:2009-03-01




ケータイ辞書 JLogosトップ