ケータイ辞書JLogosロゴ 滝郷(中世)


愛知県>一宮市

 戦国期に見える郷名。尾張国中島郡のうち。天正11年10月29日の織田信雄朱印状に「滝」と見え,杉浦五左衛門重勝・池山四郎左衛門を奉行として堤修築を命じた中島郡内15郷の1つに当郷がある(杉浦三郎兵衛氏所蔵文書/一宮市史資料編6)。「信雄分限帳」には杉浦五左衛門の知行地として「たゝさ(き)」がある。天正18年と推定される2月朔日の織田信雄判物には「たき」とあり,小田原攻めのために萩原渡〜清須間の支線道路築造を中島郡内在所給人に命じた際,当郷にも動員がかけられている(酒井文書/同前)。なお,永仁6年9月頃と推定される熱田社領国衙方押妨注文案に「西多岐」とある(猿投神社文書/同前)。また,南北朝期から戦国期にかけての妙興寺領や末寺蔵田寺領坪付注文に中島正介長利・同重松源蔵人の寄進分として「東多木村」「東多木」「西滝」などと見えるが(妙興寺文書/同前資料編5),これらも在庁官人の系譜をひく中島氏の本拠地に近い当郷に比定できる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7358546
最終更新日:2009-03-01




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