ケータイ辞書JLogosロゴ 宮道郷(古代)


愛知県>音羽町

 平安期に見える郷名。「和名抄」三河国宝飯【ほい】郡十三郷の1つ。東急本の訓は「美也知」。宮路山は,「躬恒集」所収の延喜15年3月21日の和歌に詠み込まれたのをはじめとして(群書15),僧増基の「いほぬし」(群書18)や11世紀の「更級日記」などにも記されており,中世の文献にもしばしば登場する。頂上付近に「三河国内神明名帳」所載の「宮地天神」と推定される神社がある。三河国衙を経て都に向かう時,目前に秀麗な姿を見せるのがこの山であり,古くから旅人の心を強くとらえてきたものと思われる。郷の所在地については山および神社との関係から,音羽町の赤坂か長沢,またはその両方とする説が多い。このほかに,「地理志料」はさらに御油・市場・萩・財賀など音羽町全域と豊川市の一部を含むとする。他方,近世の宮地郷の所在地を重視して久保・八幡・白鳥・本野など豊川市の北西部に比定する説(神社を中心としたる宝飯郡史),豊川市白鳥・八幡・市田・平尾の地とする説もある(豊川市史)。静岡県伊場遺跡出土の木簡に「宮地駅家」と記したものがあるが(伊場木簡),この郷内に置かれたものとしてよい。
解説文を自分にメール
メアド:Milana@docomo.ne.jp

(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7361614
最終更新日:2009-03-01




ケータイ辞書 JLogosトップ