ケータイ辞書JLogosロゴ 兎並村(近世)


京都府>加茂町

 江戸期〜明治22年の村名。山城国相楽【そうらく】郡加茂郷のうち。伊勢津藩領。枝村に南村(のちの美浪村)がある。村高は,南村分村前の「正保村高帳」によれば464石余,「元禄郷帳」で南村分を含まず434石余,「享保村名帳」でも同じく464石余,うち大工高22石余。「宗国史」にれば,戸数72・人数333,村高464石余,「天保郷帳」は南村分も含め483石余,「旧高旧領」も同高。村内北方に伊賀街道が通じて運輸の便がよい。桑・茶の生産に適し,甘藷も多く産する。神社に燈明寺の鎮守社で当村の産土神として尊崇された御霊神社・勝手神社,寺院に日蓮宗燈明寺・真言宗真念寺・天台宗成徳院がある。燈明寺は寺伝によると,天平7年行基の開基で聖武天皇の勅願所ともなったが,のち衰微のたびに中興と改宗を重ね,貞観5年真暁の中興で真言宗,康正2年忍禅の中興で天台宗となり,寛文年中からは日便の復興により日蓮宗となったという(相楽郡誌)。同寺の本堂は桁行5間・梁間6間,入母屋造り本瓦葺で,室町初期の様式を伝えている。明治4年津県を経て京都府に所属。「府地誌」によれば,戸数93・人数442,田23町1反余・畑8町1反余,物産は製茶・甘藷・薪など。同22年加茂村の大字となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7374176
最終更新日:2009-03-01




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