ケータイ辞書JLogosロゴ 安威郷(古代)


大阪府>茨木市

 奈良期〜平安期に見える郷名。「和名抄」摂津国島下郡四郷の1つ。「和名抄」の訓は「阿井」。「日本書紀」雄略天皇9年条に,罪を犯した凡河内直香賜を討つために同天皇は,弓削連豊穂を遣わして「三嶋郡の藍原にして,執へて斬りつ」とある。当地は「新撰姓氏録」摂津国神別に「中臣藍連 同神(天児屋根命)十二世孫大江臣之後也」とある中臣氏系の藍氏が本貫としたところである。なお「多武峰略記」によれば,大織冠鎌足の長男,僧定慧は天武期に唐より帰朝し,鎌足の墓所の所在を問うたところ,摂津国島下郡阿威山と聞き,当地の墓所に赴いたという(茨木市史)。「地名辞書」にも阿威山墓は,藤原鎌足の旧墳とある。また「日本書紀」継体天皇25年条に,同天皇を「藍野陵に葬りまつる」とある。なお継体天皇陵は「古事記」では「三嶋の藍の御陵」,「延喜式」諸陵寮では「三嶋藍野陵」として見え,所在地は「摂津国嶋上郡」とある。そのほか郷内には,「延喜式」神名帳に「嶋下郡十七座」のうちとして見える「阿為神社」「幣久良神社」「太田神社」がある。古代の郷域は,現在の茨木【いばらき】市の太田・耳原【みのはら】・福井・安威・桑原・大門寺・生保【しようぼ】・大岩・安元・車作・忍頂寺などの一帯と推定される(茨木市史)。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7380995
最終更新日:2009-03-01




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