西剣坂村(近世)
江戸期〜明治22年の村名｡播磨国加西郡のうち｡剣坂村が江戸初期に東西2か村に分村して成立｡慶長17年作成といわれる慶長播磨国絵図(天理図書館蔵)では東西2か村に記されている｡もと豊臣氏蔵入地,天正15年木下家定領(岡山市足守文庫)｡慶長5年姫路藩領,正保年間頃幕府領,相模国小田原藩領を経て,延享3年幕府領,同4年からは田安家領｡村高は,天正15年剣坂村567石(同前),｢正保郷帳｣264石余うち田252石余･畑11石余,｢元禄郷帳｣(竜野市立図書館蔵)265石余,｢天保郷帳｣｢旧高旧領｣ともに266石余｡延宝5年検地帳によれば反別24町余,高292石余うち古検265石｡文政7年の年貢納米120石余,ほかに定免延期のための増米1升2合があった(山下家文書)｡天保7年の家数75(高持59･無高16)･人数311,牛8(西剣坂区有文書)｡安政5年の年貢取米137石余(横田家文書)｡東剣坂村･西剣坂村には共同の用水池や入会山があり,領主がそれぞれ異なるためたびたび水論･山論となった｡鎮守は地内土居山の王子神社｡同社は剣を御神体としていたので古くは｢剣の宮｣と称し,のち土居神社とも呼ばれたという｡剣坂の地名の由来にも関連がある(播磨鑑)｡神社はこのほか大歳神社･八坂神社･天満神社･藪宮神社がある(加西郡誌)｡明治13年の戸数80･人口374,田26町余･畑2町余･宅地2町8反余･山林58町余(播磨国地種便覧)｡同22年賀茂村の大字となる｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7394462
最終更新日:2009-03-01