ケータイ辞書JLogosロゴ 加禰郷(中世)


和歌山県>九度山町

 鎌倉期から見える郷名。伊都【いと】郡のうち。「続風土記」高野山之部寺領沿革通紀に略記された弘安8年9月日の金剛峯寺寺領注文写に,「加禰郷〈御室〉」と見え,当郷は高野山領であったことがわかる。宝徳元年閏10月日の伊都郡日別厨返渡注文に,「五貫六百文 炭香庄〈三保川 加禰 丹生川等此外無存知〉」とあり,当郷は三保川・丹生川などと並んで炭香荘内の一地域を形成したものと思われる(高野山文書/大日古1‐5)。「親長卿記」文明11年3月22日条に,「立高野宿坊,於兼と云所詠歌 我もはやいそけはここに紀の国やかねては遠きさとときけとも」と見える「兼」という所は,当地のことと思われ,室町期には当郷を通過して高野に至る参詣道が成立していたと考えられる(大成)。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7403940
最終更新日:2009-03-01




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