ケータイ辞書JLogosロゴ 野辺郷(中世)


岡山県>哲西町

 室町期に見える郷名。備中国哲多郡のうち。応永元年の記録を文禄5年に書写したという吉備津宮惣解文(吉備津神社文書/県古文書集2)に,哲多郡6郷の1つとして「野辺郷 机(几)帳屏風少々 安部是枝」と見える。なお,延文5年成立の奥書を有する「神鳳鈔」に見える「神代野辺御厨」は,当郷および神代郷一帯にわたる御厨と推定される(群書1)。永享元年12月2日書写の奥書を有する備中国惣社宮造営帳写(池上家文書)によれば,「野辺郷」には国衙領として棟別銭が1間につき20文課せられていた。戦国期に成立したと推定される年月日未詳の吉備津宮流鏑馬料足納帳(吉備津神社文書)には,康正3年分として「弐貫五百文 のへ 直納 路せん三百文」とあり,当地から流鏑馬料として2貫500文を納めている。なお,年月日未詳の備中国新見荘等手日記(竹田家文書)に「一,のへ・やた 千四百貫」と見える。また年未詳3月23日の陶興房書状(平賀家文書/大日古)には「野部新城」が見えるが当地の城であろう。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7418697
最終更新日:2009-03-01




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