ケータイ辞書JLogosロゴ 伊吹(近代)


香川県>観音寺市

 明治23年〜昭和23年の観音寺町の大字名。明治24年の戸数231・人口1,490(男738・女752),幅員東西6町・南北11町,寺1,学校1,50石以上の和船5・小船142(徴発物件一覧)。大正初期頃になると内海漁業の行き詰まりから,漁間期の出稼ぎとして九州の五島や朝鮮海域での鯖網が始まった。大資本に雇用されていたが次第に単独に契約して沖合い取引きをするようになっていった。昭和期のはじめ,片手回し・巾着網が考案され,朝鮮海域の新漁場の開発と相まって漁獲も鯖漁から鰯漁へ移っていった。朝鮮に固定した根拠地をもち魚油の搾油や魚粕の製造工場4統をもつまでに発展し,村内の漁業資本を拡大させ自営層と被傭の分解が進んだ。第2次大戦は戦前の好況と魚の統制によってこの島の経済力を増大させた。しかし終戦によって漁場を失ったばかりでなく20数年にわたって積み上げた朝鮮における漁業基地の全資産と営業上の損失は大網主層にとっては手痛い打撃であった。しかも漁民の多くが漁間期の職場を失い,一部は出稼ぎ漁夫となり大網層は必然的にこの島での就業に集中するようになった。大正2年の戸数351・人口2,339,昭和16年の世帯数570・人口3,337,同23年の世帯数723・人口3,983。同24年1月1日観音寺町から分離し伊吹村となる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7429087
最終更新日:2009-03-01




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