ケータイ辞書JLogosロゴ 川津郷(古代)


香川県>坂出市

 奈良期〜平安期に見える郷名。「和名抄」鵜足郡八郷の1つ。訓は加波都。正倉院御物中の天平18年10月の「讃岐国鵜足郡川津郷」と墨書がある絁布が初見(寧遺下)。これは,同郷戸主内部宮麻呂が絁1匹(長さ6丈,幅1尺9寸)を調として貢進したものである。さらに,宮麻呂は郷内小山という所に一社(川津神社)を建立している。社伝によると,天平8年川津郷の布師の首宮麻呂が武内宿禰を奉祀し川津神社と称し,貞観元年霊異があったことにより八幡神社と改称したとある。当時すでに,当郷内にはこの宮麻呂を中心とした絹織物を業とする集団のいたことが知られる。こののち,天平勝宝4年10月25日付造東大寺司牒解(正倉院文書/寧遺中)によると,川津郷内50戸が,讃岐国では香川郡中間郷・山田郡宮処郷各50戸とともに東大寺雑用料として施入されたが,これらは次第に荘園化されていく。下って弘安8年8月の東大寺注進状案(東大寺文書/鎌遺15680)によれば,讃岐国川津・中間・宮処3郷の封戸150戸分として代米645石6斗7升5合8勺が貢納されていたことが知られる。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7429382
最終更新日:2009-03-01




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