今張(中世)
鎌倉期から見える地名｡越智【おち】郡のうち｡｢太平記｣によれば,暦応3年(実は康永元年)4月,新田義貞の弟,脇屋義助は吉野の勅命を受け,四国･中国の南朝方の軍を督戦するため熊野水軍などに送られ,同年4月23日｢今張浦｣に到着したという｡天正13年と推定される7月27日の吉川元長書状(吉川家文書/大日古9)によると,長宗我部元親討伐のため,豊臣秀吉の命を受けた吉川元長は,7月5日今張津に着岸している｡当地が中世を通じて重要な港湾であったことが知られる｡なお｢別宮系図｣によれば,別宮吉孝の曽孫又三郎入道(阿成房)は今治孝清の女婿であったという｡
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(C)角川日本地名大辞典｢旧地名｣
JLogosID:7430910
最終更新日:2009-03-01