ケータイ辞書JLogosロゴ 秋月(中世)


福岡県>甘木市

 南北朝期から見える地名。夜須・下座郡のうち。建武4年5月21日の宣遠施行状(広瀬文書/南北朝遺950)によると,肥前の中村氏は,秋月氏以下の凶徒討伐のため筑前国の「秋月浦」への発向を命じられている。この「秋月浦」は当地のことであろう。室町期には秋月氏は筑前守護少弐氏の被官となったようで,永享5年8月19日,秋月城に拠った少弐氏父子は幕府軍の攻撃を受けて討死している(満済准后日記/続群補遺2)。文明18年に秋月種朝が当地に大竜禅寺を開き,夜須・上座両郡内で11町の寺領を寄進したと伝えられるが,これも当時の秋月氏の勢力の一端を示すものであろう。筑前支配をめぐる大内・大友両氏の対立抗争の間にあって,秋月氏は大内氏に従っていたが,天文7年には当地で大内・大友両氏の和議が成立している(大友家文書録/大分県史料32)。永禄10年9月3日,大友方の五条氏は筑前に入り,「秋月休松」で毛利方と戦い,その被官が多く死傷している(五条家文書/纂集)。天正年間の「指出前之帳」によれば,秋月という固有村名はみられず,上秋月・野鳥両村がこれに該当するようである。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7437949
最終更新日:2009-03-01




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