ケータイ辞書JLogosロゴ 奥浦(中世)


長崎県>福江市

 戦国期に見える地名。肥前国松浦郡のうち。1566年(永禄9年)イエズス会のアルメイダ修道士がはじめて五島大値賀でキリスト教を布教した折,Ocura(奥浦)にも出張して信者を得た。ここに数日滞在していると,大値賀のキリシタンが会堂の敷地を造成に来たが,その場所は「山から海に突き出る(一種の)岬で,二ブラサの高さがあり,上の地所は長さ四十ブラサ,幅は十五ブラサで,その真中を二筋大きい水が流れて海にそそいでいます。その敷地は非常に爽やかな森に囲まれ,その下方に村があります」という教会建設の好適地だった(フロイス日本史9,1566年10月20日アルメイダ書簡/通信下)。このアルメイダ書簡には「悉くキリスト教徒なる港Oura(奥浦)」ともある。翌年派遣されたバウチスタ神父も,1年前アルメイダから受洗して全住民が教徒となった1つの港で,日本人ロレンソが貧しい藁小屋で説教していたが,会堂ができたのでこれに移った,と報じている(1567年10月26日バウチスタ書簡/通信下)。このように永禄9年当地に教会堂が建設された(五島編年史)。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7447727
最終更新日:2009-03-01




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