ケータイ辞書JLogosロゴ 楠泊(中世)


長崎県>小佐々町

 鎌倉期に見える地名。肥前国松浦郡のうち。建保6年8月日の源披譲状案に「所領 伊万里浦 福島 楠泊〈在四至本公験〉屋武 田平内粟崎 海夫〈五島党々〉蒲田網片手」と見え,当地を含む所領が峰三郎上に譲られている(伊万里文書/鎌遺2395)。上は出家して西念を称し,寛元4年8月13日に譲状を作成し,所領のうち福島・伊万里浦の四郎丸・光重両名,田平浦の蒲田の網庭・青崎の海夫等を孫の留【とむる】に譲っている(同前/鎌遺6727)。西念はこの譲状を作成する以前に子息の「けん二らういたる」と孫の三郎留に譲状を与え,所領をほぼ折半することにしていたようである。伊万里の半分および楠泊,屋武,蒲田の網庭の半分,青(粟)崎の海夫の半分は「けん二らういたる」に譲られたと考えられるが,この譲状によれば,「やたけ・くすとまり」の所領をめぐって「こさゝのた郎」と相論があり,その際,本証文をもって鎌倉に参上した「いたる」がこれを掠め取ったため,西念は留の所領を保全するためこの譲状を作成したのである。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7448013
最終更新日:2009-03-01




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